勝負という感覚の内側には、異なる性質を持つ「二つの世界観」が存在します。
ひとつは「順位を争う勝負」であり、もうひとつは一定の水準に達しているかどうかを判断する「格の勝負」です。
多くの人は、これらの違いをしっかりと区別しきれていないように、私は感じています。
今回の投稿では、こうした二つの感覚の違いを整理しながら、それぞれがどのような性質のものなのかを見ていきたいと思います。
順位の勝負と格の勝負
まず整理しておきたいのは、「順位」と「格」はしばしば混同されますが、本質はまったく異なる性質を持つということです。
一位、二位、三位といった「順位を争う勝負」では、誰が上位で誰が下位なのかが明確になる構図を持っています。
いわば、全体をひとつの直線に並べて序列を決めていくような感覚ですので、ここでは二人が同じ順位になることは、基本的にありません。
一方で、Sランク、Aランク、Bランクといった「格の勝負」では、一定の基準を満たしているかどうかが判断の軸となります。
同じランクに複数の人が存在することは自然であり、その中で細かく順位をつける必要もありません。
特徴的なのは、全体を一列に並べて差をつけるのではなく、それぞれがどの層に属しているかという “横の広がり” で物事を捉える点です。
この違いの認識が曖昧なままだと、本来は持ち込む必要のない場面にまで、「序列」という視点が入り込んでしまうことがあります。
人のビジュアルに対する見方
人のビジュアルに対する見方は、これらの違いが混同されやすい領域のひとつです。
たとえば、AさんとBさん。
どちらも非常に美しいのに、Aさんの方がBさんより上だ、あるいはその逆だ、というような趣旨の会話をよく耳にすることがあります。
しかしそれは、好みの影響も大きく、人によって感じ方が分かれる部分でもあります。
どちらもSランク級に美しいのであれば、どちらも同等に素晴らしい。
それで良いのではないでしょうか。
もちろん、見た目を磨く努力そのものを否定するつもりはありませんが、私はビジュアルに対する見方を「序列」ではなく「格」として捉えているからこそ、このような考え方になるのだと思います。
上でなければ気が済まないという感覚
一方で、自身のビジュアルがSランクであったとしても満足できず、その中でさらに上位であることを求める人もいます。
その人にとっては、Sランクであるということよりも、自分が他者より上であるかどうかに関心が向いているのかもしれません。
しかし、ビジュアルのように、競い合わなくてもいい領域にまで「序列の感覚」を持ち込むのは、どこか本質からズレているようにも感じられます。
何をもって “上” とするのかが曖昧なところにまで、上であることを求めてしまう背景には、単なる個人の「自己満足」や、人と自分を比較した「マウント」に近い感覚が作用している可能性も否定できません。
競わなくてもいい領域
ここからは、私自身の感覚としてお話ししていきます。
前章でも触れましたが、世の中には必要以上に争わなくてもいい領域があると思っています。
ビジュアルのように、生まれ持った素質が影響する領域や、そもそも順位づけにどれほどの価値があるのかが曖昧な領域では、序列を求める勝負の感覚は必須ではありません。
どちらも美しいのであれば、無理に順位として扱う必要はなく、その美しさをそのまま受け止めるという見方があっても良いはずです。
大切なのは、競うべき場面と競わなくてもいい場面の境界を、自分の中でしっかりと見極めることではないでしょうか。
あらゆる場面を「順位の勝負」として捉えてしまうと、本来は必要のないところにまで、自分に追い込みをかけることになります。
また、同じ基準に達していて、ともに称賛し合えるはずの相手を「勝敗の対象」として扱ってしまうことが、健全な関係性を損なうことにもつながります。
自分がどの質の勝負に力を使っているのかを知ることは、心の健全さを守る上では欠かせない視点であると、私は思います。
どの勝負を選ぶのか
それでも私は、順位の勝負そのものを否定したいわけではありません。
順位を争うことで得られる成長もありますし、適度な緊張感が人を強くするということも理解しています。
一方で、格として捉えたほうが自然な領域や、そもそも競う必要のない領域が存在することも確かです。
大切なのは、自分がいまどんな性質の勝負に身を置いているのかを、きちんと自覚することだと思います。
その上で、どの勝負を争い、どの勝負からは距離を置き、どの領域では互いを称え合うのか。
その選択を、無自覚のままにしてしまわないことが大切です。
さいごに
順位の勝負と格の勝負という二つの世界観を手がかりに、私が日頃感じている勝負観についてお話ししてきました。
今回は、ビジュアルを例に話を進めてきましたが、本来は順位をつける必要があるのかどうかが曖昧な領域にまで「序列の物差し」を持ち込むことが、私たちにとって本当に有益なことなのかどうか。
その問いには、立ち止まって考える余地があると、私は感じています。
あなたはいま、どの質の勝負の中に身を置いているでしょうか。
この記事が、その問いを改めて考えるきっかけになればと思います。
この記事は、筆者自身の思考と考察をもとに、AIのサポートを活用して推敲しています。