四つの世界観と二つのスタイル (思考編)

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皆さま、こんにちは。

本日の投稿では、私自身の思考や洞察に大きな影響を与えている『四つの世界観と二つのスタイル』について、お話ししたいと思います。

これらの概念は、今後の考察に深みを与えるものとなりますので、まずは最初に、その全体像をお伝えしておきたいと思いました。

論理的な内容ですが、イメージしやすいように図解もご用意しておりますので、そちらも併せてご覧ください。

四つの世界観

人が築き上げる世界観は、『個』『共生』『競争』『勝負』の四つに分類できると私は思っています。

これらの視点を用いることで、人々の思考や発言の裏にある意識や感覚、行動の背景などを理解することができ、それが周りにどのように映るのかを説明することも可能です。

こちらがその図解です。

以下がそれぞれの説明となります。

個の世界観

私たち人間は、誰もが『自分だけの世界』を内に秘めています。

この内面的な領域が『個の世界観』と呼ばれるもので、趣味、信念、価値観、思考などがそれにあたります。

他者から影響を受けることはあっても、他者によって干渉されることはなく、当然そこには優劣の概念もありません。

十人十色という言葉が示すように、人の数だけ存在する唯一無二のものであり、あらゆる世界観を考える際のベース (土台) となるのが、この世界観です。

共生の世界観

次に、私たちの外側に広がっているのが『共生の世界観』です。

ここでは、多くの人々や価値観に触れながら、互いを深く尊重し、支え合う感覚や姿勢が求められます。

そのため、各々の考え方や価値観 (個の世界観) を発揮するタイミングや度合いを誤ると、周囲との協調が損なわれることがあるかもしれません。

さらに、この世界には『競い合い』や『勝敗』といった概念が存在しません。

優劣という考え方はあるものの、それが否定的に捉えられることはなく、各々の個性として前向きに受け入れられるのが、『共生の世界観』の特徴です。

競争の世界観

『競争の世界観』に入ると、これまでの『個』や『共生』に基づいた感覚から、一気に見方や考え方が変わります。

私たちの身近にあるもので例を挙げるならば、スポーツがこれに該当します。

その感覚は、格差をなくして共に生きることを目指す『共生』とは大きく異なります。

競争の本質は、むしろ能力や結果によって格差を生み出し、明確な序列を築いていくことにあるので、すべてが公平で序列のつかない環境下では、努力することの意味が薄れてしまいます。

競争の世界では、全員が平等という考えに縛られていては上に行けません。

ライバルたちは、それぞれの努力と工夫で次のステージに進んでいるのです。

もちろん、ルールや条件の上での『平等さ』は必要です。 (ハンデキャップ競争は除く)

競争の出発点が不平等であれば、それは勝負ではなく不条理です。

その上で、他者を上回り『優位性』を獲得していくためには、与えられた『公平』の枠を飛び越え、自ら進んで『いい意味での不公平』を生み出していく必要があります。(私はこれを『ポジティブな格差』と呼んでおります)

競争の世界で成功を収めている人は、このことを理解しており、当たり前のようにそれを実行しているので、公平でないことに対するネガティブな気持ちは少しもなく、ポジティブな格差をどんどん生んでいきます。

また、『個』や『共生』の世界観の中では、肯定的に捉えられていた『十人十色のさまざま価値観や考え方・やり方』は、ここでは『成果』や『結果』の根底要素として認識されるため、内容次第では、ポジティブに解釈されないこともあります。

結果が伴わない場合は、その思考や方法に改善や変更を求められるのが当然であり、ここも『共生』の感覚との大きな違いです。

『結果がすべて』とまでは言いませんが、競争の世界では、結果や成果を基軸に逆算して物事を考えますので、『個』や『共生』の価値観や考え方は、この世界観の中ではなかなか共感を得にくいかもしれませんね。

個人的には『ビジネス』もまた、競争や勝負の世界観に属するものだと考えています。

勝負の世界観

勝負の世界観は、競争の世界観と共通した部分が多くありますが、その本質には明確な違いがあります。

競争とは、ひとつでも上の順位を目指すことが目的ですが、勝負とはただ一つ、一位になることを目的としており、順位や序列ではなく、勝利そのものを重視しています。

『二位は敗者の一番手』という、勝負の世界観を表現した有名な言葉もありますよね。

たとえば、あるスポーツにおいて、オリンピックの出場権が『一位の選手のみ』に与えられるとした場合を考えてみましょう。

競争の観点からすれば、二位も立派な成績であり、称賛に値するものですが、オリンピックの出場権を得るという目的 (勝負の観点) からすれば、二位では意味がありません。

勝負の本質とは、勝者と敗者を分ける明確な分岐点が存在するところにあると言えます。

選挙もまた『勝負の世界観』を象徴する一例だと思います。

ここではタイムリーな話題として『東京都知事選挙』をテーマに考えてみましょう。

今回は過去最多の候補者数となっているようですが、そんな中でも当選できるのはたった一人です。

どれだけ多くの票を得たとしても、二位以下の候補者は『落選者』という立場に甘んじることになり、東京都知事という役職を手にすることはできません。

このように、選挙は勝者と敗者を明確に分ける『勝負の典型例』と言えるのではないでしょうか。

ビジネスシーンでも、たった一つのポジションを争う局面では、競争を超えた勝負の覚悟が求められる場面があります。

このとき、重要なのは『誰にも負けない』という強い意志と、自分に厳しく向き合い、徹底的に自分を追い込むマインドです。

私たちは、状況や目標に応じて『競争』と『勝負』という、異なる世界観を使い分けていく必要があるのではないでしょうか。

四つの世界観 (まとめ)

これまで述べてきた四つの世界観の特徴を、それぞれまとめてみました。

個の世界観

  • 自分だけの価値観や信念、趣味が含まれる内面的な領域。
  • 他者から干渉されることなく、自由に形成される唯一無二の世界観。
  • 多様性を尊重し、優劣の概念が存在しない領域。
  • 「十人十色」の言葉に象徴される、人それぞれ異なる個性が根幹。
  • あらゆる世界観を考える際の「ベース(土台)」となる。

共生の世界観

  • 他者との関わりを通じて、互いを尊重し支え合う協調的な世界観。
  • 社会の中で一員として生きる上で欠かせない感覚や姿勢を持つ。
  • 優劣は存在するものの、それが否定的ではなく個性として受け入れられる。
  • 「競い合い」や「勝敗」といった概念が存在しない。
  • 個の世界観が適切に発揮されない場合、協調が損なわれる可能性がある。

競争の世界観

  • 『個』や『共生』の感覚から一変し、能力や結果によって格差を生み出し、序列を築くことが本質。
  • ルールや条件の上での『平等さ』を前提にしつつ、その中で『優位性』を獲得することが求められる。
  • 他者を上回るために、与えられた『公平』の枠を超え、『ポジティブな格差』を生み出す必要がある。
  • 努力は必要条件であり、結果を追求する姿勢や成果への執着が成功の鍵となる。
  • 成果や結果を基軸に考え、結果が伴わない場合には改善や変更が求められるのが当然である。

勝負の世界観

  • 一位になることを目的とし、勝利そのものを重視する領域。
  • 序列ではなく「勝者と敗者」を明確に分ける本質がある。
  • 「二位は敗者の一番手」という厳しさを象徴する価値観。
  • 選挙やオリンピック出場権争いなど、結果が明確な分岐点を生む局面が典型例。
  • 誰にも負けない意志と自己追求のマインドが必要とされる。

引き続き、次項では「二つのスタイル」について掘り下げていたいと思います。

二つのスタイル

四つの世界観を意識して物事を考えられるようになった私は、その後、思考をさらに深めてくれる『もうひとつの概念』に出会いました。

それが『コンテクスト』と呼ばれるものです。

現在私は、本職とは別に、日本で生活する外国人への日本語学習支援活動を行っていますが、日本語の指導法について学んだ際、この 『コンテクスト』 という概念を知りました。

本来はコミュニケーションスタイルを指す言葉ですが、その解釈を広げてみると、さまざまな事象を説明する上で、非常に汎用性の高い概念であることに気付きましたので、すぐに自身の考察方法に取り入れました。

実際のところ、この考えを表すのに適した用語が他に存在する可能性もありますが、私の語彙ではそれに代わる表現を見つけることができませんでしたので、本稿では 『コンテクスト』 を『コミュニケーションスタイルに関する一般的な概念を特定の状況に応用したもの』として捉え、説明をしていきたいと思います。

低コンテクスト

まず最初に『低コンテクスト』スタイルについて説明していきます。

このスタイルでは、情報が直接的かつ明確に伝えられることを重視します。

そのため、発信された内容は、文字や言葉の意味通りに解釈される傾向があります。

低コンテクストの特徴は、発言や文章に対して『察し』や『予測』を加えず、提示された言葉そのものの意味をそのまま受け取る点にあります。

これにより、情報が誤解なく伝わりやすくなる一方で、発信者が意図するすべての情報を明確に明示する必要があるという特性も持っています。

私たちの日常の中では、論文や法律、規定や契約、ニュースやディベートなどが、低コンテクストの属性を持っていると思います。

高コンテクスト

一方、『高コンテクスト』スタイルでは、日本人が得意とする『察し』や『予測』を駆使し、明示されていないことに関しても、互いに理解し合おうとする傾向が見られます。

高コンテクストなスタイルでは、話し手の発言内容(明示的な情報の質)以上に、聞き手の理解力や解釈の仕方、洞察力などが重要な役割を果たします。

日本の言語や文化、会話や文章におけるコミュニケーションスタイルは『高コンテクスト』であると言われており、『察し』や『予測』を巧みに活用することで、言葉に込められた意図や背景を読み取り、円滑な意思疎通を図っています。

私たちの日常の中では、小説や芸術、その他作品やユーモア、恋愛やバラエティー番組などが、高コンテクストの属性を持っていると思います。

二つのスタイル (まとめ)

二つのスタイルは、コミュニケーションにおける情報の伝え方と解釈の仕方の違いを、明確に示しています。

それぞれのスタイルの特徴を理解し、考察に取り入れることで、四つの世界観をより立体的に説明することができます。

低コンテクストスタイル

  • 情報が直接的かつ明確に伝えられることを重視するスタイル。
  • 発信された内容は、文字や言葉そのものの意味通りに解釈される。
  • 『察し』や『予測』を加えず、提示された情報そのものを受け取ることが基本。
  • 誤解が生じにくい一方で、発信者がすべての情報を明示する必要がある。
  • 論文、法律、契約、ニュース、討論などが該当する。

高コンテクストスタイル

  • 明示されていない情報を『察し』や『予測』を通じて補うスタイル。
  • 聞き手の理解力や解釈力、洞察力が重要な役割を果たす。
  • 話し手の発言内容以上に、背景や意図を読み取る能力が求められる。
  • 高コンテクストな文化やコミュニケーションでは、会話や文章において言葉に込められた意図や背景が重視される。
  • 小説、芸術、ユーモア、恋愛、バラエティー番組などが該当する。

最後に

以上で説明はおしまいです。

非常に長い記事となりましたが、最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

次回の投稿記事では、私たちが日常の中で目にしたり、耳にするような会話やことばを例に、これら四つの世界観と二つのスタイルがどのように考察に活きていくのかを、実例形式でお伝えしたいと思います。


※この記事は私自身の考察をもとに、ChatGPTのサポートを受けて推敲しています。

この記事を書いた人
H.M

幅広い視野と深い思考力を発揮し、あらゆる課題や物事に対して冷静かつ論理的にアプローチすることを心掛けています。また、洞察力を活かして本質を見抜き、多角的な視点で分析をするのも得意です。

少年時代に習っていた『サッカー』を通じて培った思考や理論は、社会での経験と融合し、現在のスタイルを確立する基盤となりました。

私にとって仕事とは競技そのものであり、独自の理論である『選手究極論』を掲げながら、日々さまざまなことに挑戦し続けています。

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